森の小舎の漂流ポストの管理人さんが引退し、慈恩寺が受け継いだというニュースを見ました。
毎年秋のお彼岸過ぎにはカフェ「森の小舎」から車で10分ほどにある「慈恩寺」で供養の法要もされてきたそうです。
その郵便ポストに焦点をあてて制作されたのが
映画「漂流ポスト/The Drifting Post」
30分という短編とは思えない凝縮されたストーリー。
フィクションでありながらドキュメンタリー要素を壊さずに仕上がっています。
この作品はまず、世界中の映画祭で上映され、監督の清水健斗さんは海外で高い評価を受けました。国内でもSDGsジャパンスカラシップ岩佐賞教育部門を受賞ています。
国内の映画レビューを読ませていただくと、言論の自由が認められているとはいえ、人をこき下ろす内容が散見し、自分はいったい何様なの?と問いたくなるようなコメントが多く残念に思いました。
映画「漂流ポスト/The Drifting Post」はもっと評価されてよい作品ですし、多くの人に観ていただきたい映画です。
本日の名言です。森の小舎のオーナーが言った
「辛いという漢字に棒を1本足してごらん。幸せという字になるだろ」
映画「漂流ポスト/The Drifting Post」 2021年公開 30分
監督&脚本*清水健斗
撮影監督*辻 健司
出演*雪中梨世、神岡実希、中尾百合音、藤公太、小田弘二、植村恵、永倉大輔
<あらすじ>
学校の屋上での出来事でひょんなことから授業を抜け出し、海へ遊びに行く女子学生の園美と恭子。
ある日、親友・恭子の転校で別れが訪れる。ふたりは手紙を書いて10年後にタイムカプセルを開ける約束をするが、東日本大震災で親友を失ってしまう。
大学生の時に友人からかかってきた電話に出なかったことをとても悔やんだ。
「特に用はないから。また電話するね」が最後の言葉となってしまった。
友の声が録音されたガラケーを結婚してからも捨てずに持っている主人公に夫は、漂流ポストに手紙を投函することをすすめた。
森の小舎のポストの前で躊躇して出せずにいる主人公・園美。
森の小舎のオーナーがカフェに招き入れ、優しく語りかける。
「辛いという漢字に棒を1本足してごらん。幸せという字になるだろ」
なんでもいいから便箋に思いを綴ってみたらどうか、と。
学生役の神岡実稀さんと中尾百合音さんの無邪気な演技と笑顔がよかったです。有名な女優さんを使うのではなく、無名に近い役者さんたちだからこそ、身近に感じられ共感できたように思います。岩手県陸前高田市の実話を映画化したもので森の小舎のオーナー赤川さんを俳優の永倉大輔さんが演じました。
★漂流ポストの新しい宛先
〒029―2208 岩手県陸前高田市広田町泊53 慈恩寺「漂流ポスト」
残すべき「時代の記憶」が消えつつある日本。薄れゆく明治・大正・昭和・平成の「記録・記憶・文 化・想い」を映像で記録し、令和へ引き継ぐ。それが「タイムカプセルプロジェクト」だ。